元野球部員の少年3人が売春防止法違反容疑で逮捕された拓大紅陵は19日、全国高校野球選手権大会千葉大会4回戦(ZOZOマリン)で習志野に延長11回、2―4で敗れた。

 沢村史郎監督は、開口一番「いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪。「皆さまに多大なご迷惑をおかけした中、子供たちは精一杯やってくれました。いいチームだと思います」とねぎらった。

 元ヤクルトの度会博文氏(現ヤクルト球団広報)の長男で、主将の度会基輝外野手(3年)も「チームがこのような状況下にもかかわらず応援してくれた両親やファンの方々には感謝の気持ちでいっぱいです」と涙ながらに話した。

 拓大紅陵ナインの夏は終わったが、事件についての処分は不透明なまま。19日の段階でも千葉県高野連から日本高野連に具体的な報告書が届かず、処分の審議ができない状態が続いている。事件発覚後、日本高野連は千葉県高野連に事件の詳細の報告書を提出させたが、内容が不十分として再提出を要求。2度目の報告書も審議できるまでの内容ではなく、再々提出を求めている。

 竹中雅彦事務局長は「2度目も1度目と大して内容が変わらず、審議できる材料にはならない。当該の元部員は現在、取り調べで勾留中ということなので、親たちに聞いてもらうしかない。退学を申し出てきたとき、なぜ学校が親に事情を聴かなかったのか…。そのあたりも、はっきりするよう伝えてあります」と困惑するばかりだ。

 逮捕された3人のうち1人は別の暴力事件を理由に先に退学しており、その後に今回の事件への関与が分かったという。関係者らは捜査を理由に警察から事件内容を口止めされ、結果的に日本高野連への報告が遅れる一因ともなった。竹中事務局長は「報告書が来れば緊急で審議会を開く。早いに越したことはないが、来週中になるでしょう」。20日からスタートする新チームの行く末はいかに…。