2位・阪神が7日の巨人戦(甲子園)に1―5で敗れ、首位・広島とのゲーム差を「8」に広げられた。試合は打線が巨人・マイコラスにお手上げ状態で、上本のソロ弾で完封を逃れるのがやっと。金本監督は「今年対戦した投手の中で一番よかった。あれだけキレキレの球を見せられたら…。ある意味、今日は難しかったなと思える。打線は責められない」と白旗を掲げるしかなかった。

 だが、広島にもうこれ以上離されるわけにはいかない。そんな中、V奪回の「最終兵器」として期待されているのがこの日、西宮市の球団事務所で入団会見を行った新助っ人ジェイソン・ロジャース内野手(29=前パイレーツ3A)だ。「違う環境でも率をしっかり残せると思うし、ある程度パワーも披露できる自信はある。すべての面でチームに貢献したい」と豪語。その一方で米国時代での愛称が「パンダ」と明かし「日本で新しい愛称を考えてもらってもいいし、それならそれで面白い。同じようにパンダでもいいよ」とひょうきんキャラまで披露した。

 そんなロジャースは球団から早くも“ゴメス2世”としての役割まで求められている。「一軍に生き残ることに必死の若手が多いので、今、チームを明るく盛り上げる選手がいない。ロジャースは陽気で人懐っこい性格で顔もかわいい。打つことはもちろんだが、ゴメスのようにパフォーマンスでベンチを明るくしてほしい」(球団関係者)というのだ。昨季限りで解雇となったマウロ・ゴメス内野手(32)は阪神での3年間、得意の“コマネチポーズ”でナインを笑わせたかと思えば、帽子を裏返しにかぶって願掛けする“ラリーキャップ”を率先。ベンチの士気を高める盛り上げ役を買って出ていた。今年、その役割を期待されたキャンベルはまじめタイプで目下、二軍落ち。左アキレス腱断裂から復帰を目指す元気印・西岡も一軍昇格がまだ先とあって、球団がロジャースに白羽の矢を立てたというわけだ。

 来日早々に“特命”まで課されたロジャース。虎の窮地を救えるか。