阪神のFA砲・糸井嘉男外野手(35)が2日のヤクルト戦(甲子園)で5月30日以来の8号ソロを放ち、チームを4カードぶりの勝ち越しに導いた。7回一死から右翼席へ弾丸ライナーで飛び込むダメ押し弾。この一発が効いてチームは5―4で逃げ切った。

 久しぶりのお立ち台で糸井は「やりました! 幸せでした! ファンの皆さんのひと押しのおかげで入りました」と虎党の大声援に感謝。金本監督も「(糸井の一発は)大きかった。長打、ホームランがここ最近出ていなかったので、これをきっかけに4月の調子を取り戻してほしい」と超人の完全復調を願った。

 5月は月間打率2割4分4厘、6月は同2割3厘と不振に陥った。左太もも裏を痛めるなど満身創痍で、早出練習を断行するなど試行錯誤を続けてきたが、結果は出ないまま。そんな悶々とする日々の中、盟友と苦悩を語り合う機会があった。その人物とは、例年合同自主トレを行うソフトバンクの主砲・柳田悠岐外野手(28)だ。

 交流戦期間中を使って糸井は「(柳田が)『行きたい』言うから、連れて行ってやったわ」とうそぶきながら後輩との会談をセッティング。詳細について本人は多くは語らないが、柳田は「糸井さんは野球の話になると『超』がつく真面目人間。普段の食生活や過ごし方も野球が第一。そういう話をした。ずっと真面目な話でした」と明かした。糸井は柳田を「一流打者」として認めており、そんな絶好調の弟分から不振脱出のヒントを…という思いがあったのだ。

 今カードは3試合連続安打をマークするなど復調気配の糸井に柳田は「真面目に野球に向き合っている人は心配いりません」とキッパリ。そんなうれしいセリフを吐いてくれる後輩のためにも超人はさらに頑張るしかない。