セ・リーグ首位を独走中の広島が、2日の中日戦(マツダ)に6―4で快勝した。1点を追う8回、4番の鈴木誠也外野手(22)が、左翼スタンドへ放り込む16号3ランで逆転に成功。お立ち台では「サイコーでーす!」と声を張り上げて喜んだ。緒方監督も「4番が試合を決める逆転ホームランを打ってくれたね。頼もしく成長してくれている。ああいうところで最高の打席になった。(本人も)うれしいでしょう」と目を細めた。

 チームの勢いが止まらない中、試合後のヒーローインタビューで繰り広げられる“カープ新喜劇”からも目が離せない。この日は鈴木とともにプロ1号本塁打を放った磯村がお立ち台に上がり、上本と野間からスポーツドリンクをぶっかけられる手荒い祝福を受けた。上本によれば「初めから磯村だけを狙ってました」と台本通りに動いたという。

 これだけではない。先月30日の同カードでは勝ち越し打を放った鈴木が、スペイン語風の言葉を発して通訳が日本語で伝えるという“コント”で鯉党を沸かせた。正確(?)に仕事をまっとうした西村通訳は「急きょ決まったんです。即興ですよ。(鈴木)誠也から『訳してもらっていいですか?』と言われたので」と当時の状況を振り返った。

 また、1日は3打席連続本塁打のエルドレッドが登場。通訳なしの日本語で応じた。「最初のホームラン、ウインド(風に乗った)ホームラン。でも気持ちいい」とやって、スタンドは大盛り上がり。これは石井打撃コーチによる“指令”で「昨日(30日)の誠也の流れでね。ファンの人が喜ぶと思って」と前日を踏まえて仕込んだことを明かした。

 3日連続公演となった“カープ新喜劇”にファンはもちろん大喜び。あまりに勝ちすぎて“ネタ切れ”にならないか心配になるぐらいだ。