阪神が28日の中日戦(ナゴヤドーム)に0―1で敗れ、今季ワースト更新の6連敗。貧打が続く中、特に深刻なのは主将・福留孝介外野手(40)の不振だ。6月はここまで打率1割4分5厘、0本塁打、2打点。この日は休養日以外で今季初めて4番からも外れた。チーム内外からは、今後を心配する声が噴出している。

 金本監督、苦心の打順変更も効果なしだった。2回にヒットエンドランのサインで打者・梅野が空振りを喫する凡ミスを犯す拙攻が飛び出すなど、わずか2安打で6月だけで4度目の零封負け。中でも重症なのが福留だ。5番降格となったこの日は初回からバスター打法を披露。周囲を驚かせる執念を見せたが、快音なし。6月の絶不調によって打率は2割4分9厘まで急降下。試合後は悲壮な表情を浮かべ、無言で球場を後にした。

 金本監督は「(打順変更は)投手の右左もあるし、孝介を楽にしてやろうかなと思ってね。何とかしようという気持ちは持っているから」と話したが、復調には程遠い。それもそのはずで①「外野シャッフルによる不慣れな左翼守備」、②「右手中指の負傷」、③「連敗続きによる特別休暇なし」の3つの問題に苦しんでいるからだ。

 6日のオリックス戦から持ち場とは違う左翼手に変更。右手中指のケガをおしての出場が続き、チームの連敗のため週1回の休みも“返上”している状況。チーム関係者は「慣れない守備と休みなしの状況で例年の比ではないほど疲れている。本人は痛いかゆい言わないが…。このままいくとパンクしてしまうのではないか」と眉間にしわを寄せる。

 ライバル球団すらも同情するほどで「バスター打法をする姿なんて見たことがない。それほど追い込まれているということ。右手のケガが影響して打撃の調子も最悪。ここまで不振が長引くのはかつてないんじゃないか。優勝を狙える位置にいるから、休ませたくても休ませられないんだろうけど…」(セ球団スコアラー)との声が上がっている。

 打線強化のためジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)の獲得を目指す球団はこの日、四藤社長が「交渉中です。決まり次第発表します」と明かした。しかし、福留の打棒爆発がなければV奪還は夢のまた夢。一刻も早く完全復活といきたいところだが…。