巨人が28日のヤクルト戦(福島)に2―4で敗れ、連勝が2でストップした。先発の大竹寛(34)が4回4失点で4敗目(4勝)。立場は危うくなるばかりだが、パッとしない成績とは裏腹にグラウンド外では存在感を示しているという。どういうことなのか。

 この日も勝てなかった。大竹寛は初回、山田に特大ソロを浴びて先制を許したが、2、3回は三者凡退に抑えて立ち直ったかに見えた。

 しかし、4回先頭の上田に中前打を浴びると制球を乱し、2四球などで二死満塁とピンチを拡大。下位の藤井、西田の連続適時打で3点を追加され、この回でマウンドを降りた。

 打線の反撃も2点止まりで、序盤の4点が最後まで重くのしかかった。5月10日以来、勝利から遠ざかっている大竹寛は「踏ん張れなかった。悔しいです」とガックリ。試合後、大竹寛の投球内容について、由伸監督は「同じことを聞かれて同じことを答えている。四球とか、もったいない」と表情を曇らせた。

 繰り返される背信投球に首脳陣の評価は厳しさを増すばかりだが、投手陣の間では別の役割で貢献している。交流戦終了後、リーグ戦再開を前に開かれた投手会でのこと。今季からチームに加わった山口俊や森福ら移籍組を交えて開かれたうたげで、最も場を盛り上げたのが大竹寛だったという。

 参加した一人は、その“活躍ぶり”をこう振り返る。

「(大竹寛の)すごいところは先輩後輩を問わず、誰からもイジり倒されるキャラクターです。酒が進むうちに、本人もよく分からないことばかり言いだして、みんなが総ツッコミ。名前は伏せますけど、最後は後輩に『寛さん、もうしゃべらなくていいよ!!』と胸元あたりをバーンとどつかれてました。それでも笑って受け流していましたからね。酒席とはいっても、この世界で上下関係は絶対。他球団から来た投手は『本当に大丈夫なの?』とビックリしていましたけど、寛大な姿勢に感銘を受けていました」

 広島からFA移籍した大竹寛は巨人の一員になって4年目のシーズン。外様戦士に向けられる視線は特に厳しい。そうした中で山口俊ら移籍組の前で、古参のFA戦士として“外様選手の生きざま”を体現した格好だ。もちろん、重要なのは試合で結果を残すことだが…。

 つかんだ心を離さないためにも快投で見返すしかない。