中日に暗雲が垂れ込めている。米国の市民権取得のため、一時離脱した主砲のダヤン・ビシエド外野手(28)の再合流が遅れているのだ。当初はリーグ戦が再開される23日の巨人戦(東京ドーム)には合流の見込みだったが、22日にナゴヤドームで行われた練習にも姿を見せず、23日の出場は絶望的な状況だ。チームは平田良介外野手(29)も右ヒザ炎症で戦線離脱しており、「飛車、角落ち」で巨人戦に臨むことになりそうだ。

 ビシエドは16日に渡米。西山球団代表は当初「そんなに時間はかからない。巨人戦には間に合うと思います」と早期復帰できるとして登録抹消をしなかった。しかし一日、二日で済むと思っていた手続きに時間がかかっているのだろう」(矢野球団社長)と向こうで何らかの手違いがあったようだ。

 森監督は「本人と話していないので(いつ戻るかは)分からない。平田とビシエドの2人がずっと不調だと思えばいい。(他の選手が)かえってチャンスだと思ってくれれば」と前向きに話したが、心中は穏やかではないだろう。

 交流戦を五分で終え、3位・DeNAとは3ゲーム差。「3位が一番の理想。CS(クライマックス・シリーズ)に出ない年数が長くなっているのはいいことじゃない。経験しているヤツが少なくなっている。そういうところで伸びるヤツもいる」とAクラス入りを狙う。そのためにも一日も早いビシエドの合流が不可欠だけに気が気じゃない状況だ。