株式会社ヤクルト本社の定時株主総会が21日、午前10時から都内で行われた。1034人の株主が出席し、冒頭から東京ヤクルトスワローズに関する質問が飛び出すなど低迷中の球団に対する関心の高さをうかがわせた。

 ヤクルトは借金14でリーグ最下位。交流戦も5年ぶりの最下位に沈んだ。川端慎吾内野手(29)や畠山和洋内野手(34)、ウラディミール・バレンティン外野手(32)ら主軸打者が相次いで負傷離脱。さらに先週は中村悠平(27)と西田明央(25)の捕手2人もケガで戦線を離れる緊急事態に見舞われており、チームは文字通りの「野戦病院」と化している。

 こうした現状に危機感を抱く男性株主は総会の中で「何千万ももらっている主力や、海外から来た主力が今二軍にいる。相変わらずケガ人が続出しているが、管理体制はどうなっているのか。監督の采配もなっていないし、最下位を独走している状態。執行部はこのままでいいのか」と、やや厳しい口調で疑問を投げかけた。これに衣笠剛球団社長(68)は「(ケガ人は)本当に多い。痛感している。コンディショニングサポートグループを見直し、情報の共有化を図っている。人数的にはケガ人が少なくなってはいるが、主力選手が目立っている(のが現状)」などと回答した。

 また、この日行われた株主総会及び取締役会ではヤクルトの球団代表取締役オーナーを務めていた堀澄也会長兼最高経営責任者(82)が退任し、相談役名誉会長に就任する人事異動が決定。新たに根岸孝成社長兼最高執行責任者(68)が球団代表取締役オーナーに就いた。

 会見で根岸新オーナーは「一昨年は14年ぶりの優勝を果たしたが、昨年、今年と成績は芳しくない。だが本来のチームはこんなものではないと思っている。スローガン『目を覚ませ』の通り、真中(満)監督のもとで一つひとつのプレーを大切にファンに愛される野球をやってほしい」。

 真中体制の継続でどん底からのV字回復を力強く訴えていた。