セ・リーグ2位の阪神は14日の西武戦(甲子園)に2―4で敗れ、首位・広島とのゲーム差が3に広がった。この日も頼れるFA砲・糸井嘉男外野手(35)は左太もも筋挫傷の影響で4試合連続スタメン落ち。人一倍、責任感が強い超人はついに試合に出られないストレスを“爆発”させた。

 西武・中村に14号3ランなど全4打点を許しての敗戦劇。打線は好機であと一本が出ず悔しい黒星となった。ここ最近はベテランの福留らに疲労が目立ち苦しい状況が続いている。そんなチーム状態で誰よりも悶々としているのが9日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で左太もも筋挫傷を発症し、スタメン落ちが続く糸井だ。この日は9回二死一塁の場面に代打で登場し、見逃し三振で試合終了。本人はフル出場できないストレスがたまっている様子だ。

 実は、この日の試合前練習中にはこんなことがあった。患部の回復をアピールするように甲子園の三塁側アルプス席の階段を駆け上がった糸井は珍しく「最高の走りやったやろ」と自画自賛。そして「『糸井万全』『100%』と書いといてくれや!『大丈夫です』と言っても出してもらわれへんから。頼んだで!」と早期スタメン復帰実現に向けて“メディアの力”に訴えたのだ。

 まさに異例の形で飛び出した「スタメン志願」。金本監督ら首脳陣、トレーナー陣が、無理を強いることなく先を見越した判断をしてくれているのは百も承知でいる。むしろ感謝しているぐらいだが、FA加入の強い責任感が我慢の限界を通り越したのだろう。「自分より年上の福留が疲労をおして、不慣れな左翼にコンバートされながらも必死にプレーしている姿や、若手が勝負どころで結果を出せないシーンをベンチで目の当たりにして、なおさら責任を痛感しているのは間違いない」と球団関係者もいう。

 糸井の熱い思い。金本監督は超人の先発復帰について「糸井はケガだからね。傷が完全に治るまでは…」と改めて慎重な姿勢を見せたが…。