DeNAからFA移籍し、大きな期待を寄せられながら、右肩の違和感で大きく出遅れ。開幕どころか大型連敗中にも戦力になれなかった。ようやく一軍に合流となり「結果を出すしかない。勝てるように、いいリズムをつくれる投球ができれば」と意気込んでいた。

 試合前の由伸監督は「初登板で緊張感はあるかもしれませんけど、もともと力のあるピッチャーですし、山口らしいというか、出せるものをしっかり出してくれれば」と期待した。

 この日の山口俊は立ち上がりから盤石の内容。落差の大きいフォークを決め球に、ソフトバンク打線に5回まで一本も安打を許さず、2四球7奪三振。6回先頭の長谷川に四球を与え、犠打で一死二塁。二死後にボークで三塁まで走者を進められ、さらに四球で二死一、三塁とされたが、今宮を二ゴロに打ち取りピンチを切り抜けた。

 そんな山口俊を打線も援護する。0―0の6回一死一塁から、坂本が左越えに7号2ラン。それまで打ちあぐねていたソフトバンク先発の石川をようやく攻略した。

 2014年の岸孝之(当時西武)以来史上79人目、90度目となるノーヒットノーランの期待も高まってきたが、7回のマウンドにはマシソンが上がり、山口俊はここで降板した。投球数は102球だった。

 今季二軍での成績は3試合に登板し、14イニングで5安打4四球1死球8三振1失点という内容で、1勝0敗、防御率0・64だった。