阪神のFA砲・糸井嘉男外野手(35)のスタメン復帰が交流戦終了後にズレ込みそうだ。9日のソフトバンク戦で発症した左太もも裏痛でここ2試合で代打待機となっている超人に、金本監督は改めて慎重姿勢でいる。そんな中、チーム内から糸井に“異例のお願い”が舞い込んでいるという。それは…。

 先のソフトバンク戦では高山、福留、原口のクリーンアップが3戦合計でわずか1安打と振るわず、交流戦初のカード負け越し。“超人不在”の影響がモロに出てしまった。金本監督は13日の西武戦(甲子園)からの糸井のスタメン復帰について「状態を見てからになるが、無理やろうな」と否定し、改めて交流戦の残り6試合ではケガの回復を優先させ、代打待機させるという。

 V奪回のキーマンだけに念には念をというわけだが、相手が糸井だけに話はやっかいだ。チーム内からなんと「代打の準備練習をし過ぎないでほしい」との声が上がっている。実は手負いの状態となっても糸井の“超人ぶり”は不変。代打の出番までベンチに腰を掛けて戦況を見守るのではなく、試合序盤からいきなりベンチ裏に待機し、モニターで同僚たちの戦いぶりをチェックしながら常にバットを手に延々と素振りを繰り返しているというのだ。

 試合中にもかかわらず時間にして優に1時間超えの“猛特訓”。「練習の虫」といわれる糸井ならではの行動とはいえ、あまりの熱の入りように、周囲は「『本当にケガ人か?』と思うほどずっとバットを振っていた。代打の準備としてはやり過ぎ。試合に出られない悔しさからの行動だろうが、あんまり練習し過ぎてケガが悪化してしまったら元も子もない。シーズンの本当の勝負どころで力を発揮してもらうためにも正直、今はベンチでおとなしくしておいてほしい…」(球団関係者)と困惑している。

 11日のソフトバンク戦の9回に代打で登場し、豪快な空振り三振を喫した糸井は「大丈夫でしょう!」と明るい表情だったが、休養日の12日に尼崎市内の病院で再検査を受けるなど、患部の左太もも裏は予断を許さない状況。それだけに周囲は「なるべくじっとして回復に専念してくれ」と願っているわけだが、これを糸井が聞き入れるかどうか…。悩ましいところだ。