セ・リーグ2位の阪神は8日のオリックス戦(京セラドーム)に3―2で勝利し、交流戦3カード連続の勝ち越しを決めた。
先発のメッセンジャーが6回途中2失点でリーグ単独トップの7勝目を挙げ、打線は成長株の中谷が「頑張っているランディに少しでも貢献できれば…」と決勝打をプレゼント。再び貯金11とした金本監督は「苦手な交流戦からすればいいことだけど、明日から(パの)上位チーム(ソフトバンク、西武、楽天)と当たる。また頑張っていきたい」と、かぶとの緒を締めた。
その舞台裏では泥沼状態の宿敵・巨人の話題で持ちきりだ。ナインの間からは「戦力は十分あるのに、ここまでとは一体どうしたんだろう」との声が出ている。巨人の低迷ぶりは阪神の懐事情にも“直撃”するといい、フロントもピリピリだ。
ある球団幹部は「甲子園での巨人戦に巨人ファンが集まらなくなっている。ビジター応援席もかつては十分に埋まっていたのに、年々減少している状態で、今年もそう。逆に広島ファンのほうがありがたい存在になっている。人気低下の部分があるのかどうかは微妙だけど、その上、巨人がこのまま脱落していくと盛り上がらない。まだ今年は7試合残っているから心配ですよ」と真顔で話す。
甲子園での巨人戦は今や昔ほどドル箱カードではない。昨年に続いて巨人との共同企画「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES」で各種イベントも行っているだけに、盛り上がりに欠ければ困るというわけだ。
阪神にも1998、99年に12連敗した暗黒の歴史があり、金本監督は日々「いつ足をすくわれるか分からない」と警鐘を鳴らしている。巨人の弱さは決して対岸の火事ではない。