<ソフトバンク10-2中日(30日)>中日・吉見一起投手(32)が30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発したが、4回1/3を投げて自己ワーストタイの8失点で降板。「先発として一番やってはいけないことをしてしまった。ふがいないし、情けない。意図したボールが投げられない。なんでなのか分からない」と首脳陣に二軍降格を願い出た。

 森監督は「抹消してくれっていうから何か(思いが)あるんでしょ。(あとは)投手コーチに聞いてくれ」と話し、友利投手コーチは「チームに迷惑をかけたくないというのが一番の本人の考え。一度、頭をすっきりしたいということ。考えて、考えすぎて、おかしくなっているんで。どっかが悪いってわけじゃない。気持ちと体を一致させれば戦力になると思います」と説明した。

 今季は不運もあって開幕4連敗スタート。「迷惑かけている。邪魔だな。居場所がない」と感じたこともあったという。それでも、前回登板した21日の広島戦(ナゴヤドーム)では初勝利を挙げて何とか踏みとどまったかに見えた。そんな吉見のメンタルを破壊したのがソフトバンク打線の想定以上の強力さだった。

「吉見の投球自体は、いつもとそこまで違っていなかった。ただ追い込んでからのボールが少し甘くなっただけ。その一球を今のソフトバンク打線が見逃してくれなかった。6試合連続2桁安打(この日の試合で7試合連続)で最高の調子のときにぶつかってしまった不運だよ」(ベテランスタッフ)

 経験豊富なベテラン右腕のメンタルをも打ち崩すソフトバンク打線。中日は、その恐ろしさを痛感した。