交流戦に向け3連勝で勢いをつけたかった中日だが、28日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)に1―7とまさかの完敗。最下位に逆戻りとなった。ベンチの期待を大きく裏切ったのは先発のラウル・バルデス投手(39)だ。2回に6安打を重ねられ一挙6失点の大乱調でこの回で降板。「1点2点でもきついのに6点では打つ方もつらい」と森監督もあきれるしかない。

 バルデスは23日のDeNA戦(横浜)の6回途中5失点に続き、2試合連続KOで4連敗となり二軍落ちが決まった。もっとも指揮官はこのバルデスの背信投球に「ちょうどいい区切り。必要な区切りかもしれない。いい方に解釈したい」と前向きでいる。「若い連中が出てきたんで優先的に回すような形をとっていかないと」と先発ローテの再編のチャンスというわけだ。

 これには周囲も大賛成。今季の中日はバルデスを中4日、空けても中5日などバルデス中心のローテを組んできたが、一方で「バルデスはタフだし、安定した投球をするから使いたくなるのは分かる。でもどうせなら経験を積ませる意味でも若い投手を使ってほしい」との声も出ていたからだ。

 鈴木、小笠原の若手に加え、ドラフト1位の柳がローテ入りすればその顔ぶれはグッと若返る。中日投手陣の大変革への一歩となる大敗となるかもしれない。