ソフトバンクが23日のロッテ戦(ヤフオク)に6―1で快勝した。先発・東浜が7回1失点でハーラートップタイの5勝目。デスパイネの先制打、内川の8号ソロ、柳田の7号2ランなど、打線も効果的に援護した。先発の柱である和田、武田に続いて千賀も左背部痛を発症するなど緊急事態のホークスだが、巨大戦力の強みを生かして首位・楽天を追走している。

 そんなチームにこの日、キューバ出身の超有望株が入団した。育成選手契約を結んだリバン・モイネロ投手(21=左投げ左打ち)とオスカー・コラス外野手(18=左投げ左打ち)。モイネロは3月のWBCでキューバ代表にも選出されるほどの左腕だが、コラスの“素性”はあまり知られていない。だが、このコラス、キューバ国内では「怪物」として知られる存在だという。

 長打力が魅力で外野手登録ながら内野も守れ、さらに投手としても最速148キロを誇るいわば“キューバの大谷”。その実力について、獲得に尽力した萩原健太中南米スカウトは「メジャーが評価する『(米国出身選手以外の)世界の若手有望選手ランキング』で、大谷翔平選手(日本ハム)に次ぐ評価を受けたルイス・ロベルト(19)という選手がキューバにはいるんですが、U―18代表でコラスは4番、そのロベルトが3番でした。コラスはロベルトよりも1つ年下なのに4番を打っていたんです。飛ばす力は大谷君以上では」と語る。

 ロベルトは昨年11月に亡命して、メジャー球団との大型契約が間近に迫る金の卵。そのロベルトをしのぐ将来性を持っているのがコラスだというのだ。萩原スカウトは「2年前から追い続けてきた選手。キューバ政府とのパイプを構築して信頼関係を強固にしてきたから獲得できたと思っています」。

 入団会見で「日本を代表するチームの一員になれることをすごく誇りに思う」と語ったコラス。キューバの至宝を口説き落としたソフトバンクはとにかくスキがない。