巨人が正念場の6連戦に突入する。23日からの首位阪神3連戦(甲子園)に向け、チームは22日に関西入り。猛虎軍との4・5ゲーム差を少しでも縮め、その後に控える2位広島との本拠地3連戦に弾みをつけたいところだ。まずは不動のエース菅野が先陣を切るが、攻撃面でも「ウルトラC」が浮上中。それはベンチ要員と化している村田修一内野手(36)の二塁スタメン起用だ。

 前日は田口の無四球完封劇で4カードぶりの勝ち越しを決めた。チームに上昇気流をもたらしたが、今後も気が抜けない戦いが続く。チームは3位ながら貯金はわずかに「1」で、開いた差も小さくない。遠征前に取材に応じた高橋由伸監督は「上位に勝たないと差が詰まらない。やる前から勝ち越しというのは志が低すぎる。やるからには6連勝」と気合を入れ直した。初戦を菅野に託し、2戦目は二軍調整を終えた吉川光が先発予定。投手陣ができる限りの必勝態勢を敷く一方で、野手陣でも攻撃力を最重要視した“マル秘プラン”が進行している。

 チームスタッフは「現在、二塁には中井と辻が入っているが、どちらも攻守で安定感を欠いている。ならば、いっそのこと村田を二塁でスタメン起用してはどうかという意見が出ている。村田は先発で使い続けてこそ力を発揮する傾向にある」と仰天構想の存在を明かした。

 4月12日の広島戦(東京ドーム)の6回にマギーを三塁から二塁に守備位置を変え、代打出場した村田を三塁に回して一塁の阿部との初のトリプル起用が実現した。しかし、今回浮上しているのは「二塁・村田」だ。村田はルーキーイヤーの2003年の横浜時代に二塁手としてもプレーした。今や日本人屈指の三塁手であることは言うまでもないが、開幕から三塁を守るマギーが絶好調。全41試合の出場で失策は「2」で、打率も3割3分6厘で坂本を追い抜いてリーグ首位打者に躍り出た(22日現在)。マギーを三塁から外す理由が見当たらないというチーム事情も村田の二塁起用を後押しする要因となっている。

 実は村田は試合前の練習で自らゲリラ的に二塁でノックを受け、軽快な動きを見せている。村田は「最近、たまにやっていますよ。(本心を言えば)やりたくてやっているわけではないですけど…」と三塁手のプライドをのぞかせながらも出場の機会をうかがっている。

 コーチの一人は「村田が横浜で二塁をやっていたことは知っている。あとは年齢的にどうか」と決めかねている様子だったが…。勝負の6連戦で超重量打線がお目見えするのか。