春季高校野球関東大会の準々決勝が22日、ひたちなか市民球場で行われ、早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)は作新学院(栃木)戦で高校通算95号となるソロ本塁打を放った。清宮は「3番・一塁」で先発出場し4打数1安打1打点と活躍したが、試合は4―8で敗れた。

 3―8の5点ビハインドで迎えた8回第4打席。ここまで無安打に抑えられていた怪物のバットがついに相手を捉えた。作新学院・篠原の真ん中高めに入った133キロの直球をフルスイングすると、打球はすさまじい速度で右翼席を越え、スタンド最深部に植えられた木に直撃。落下した地点が球場フェンスの内側だったため、場外弾にはならなかったものの、推定飛距離130メートルの“幻の場外弾”で観客の度肝を抜いた。この日視察したヤクルトの小川淳司SDも「すごいね。リストが柔らかい。何にしてもホームランを打てるというのは素晴らしい。いいものを見れました」と感嘆の声を漏らした。

「序盤に点が取れなかったのがのちのち響いてきた。(ホームランは)打った瞬間という感じ。全国レベルのピッチャーから打てて、自信になったし、いいピッチャーに対する倒し方も出来上がりつつある。これから招待試合もあって、たくさんいいピッチャーと対戦できる。同じ結果じゃ成長できないので」と語った清宮。最後の夏を前に、さらなるレベルアップを誓った。