巨人のブルペンが大混乱だ。17日のヤクルト戦(東京ドーム)は先発の大竹寛(33)が、5回10安打4失点とピリッとせず、バトンを受けた若いリリーフ陣がまたも炎上。打線は6年ぶり対戦の由規の前に沈黙し、下位相手に0―7で今季2度目の零封負けを喫した。首脳陣は中継ぎ陣の崩壊状況を受け、試合後に緊急ミーティングを開催。投手陣の編成を巡る議論は殺伐としている。

 初回に3連打で2失点したものの、その後は踏ん張っていた大竹寛。だが、5回に捕まった。二死から雄平に右翼線二塁打を浴びると、バレンティンは敬遠気味の四球。大松との勝負を選択したが、右中間フェンス直撃の特大二塁打で2点を追加され、右腕はこの回限りで降板となった。

 この時点で勝利への道は険しくなったが、巨人が抱える問題が露呈したのはその後の6回。2番手の池田は二死から坂口に右前打、藤井に四球を与えると、山田と雄平に連続適時打を浴び、2失点。なおも二死一、三塁で上がった3番手・篠原も流れにのまれ、バレンティンに死球を与え満塁とし、武内に最悪の押し出し四球で0―7。完全に勝負は決した。

 若い中継ぎ陣の炎上で突き放され、終盤を待たずして試合が終わってしまうのは、前回広島戦から続く“敗戦パターン”。由伸監督は「打たれたのはしょうがない部分がありますけれど、2人とも四球が失点に絡んでいる。打たれたことより、もっと改善しないといけない部分」と苦言を呈した。首脳陣は試合後、ロッカールームに長時間こもって投手陣再編を協議した。

 同様の展開が続いているだけに、チーム内でも投手起用を管轄する尾花投手コーチへの風当たりが強まっている。37試合目にして、左腕の池田は早くも17試合に登板。4月中旬に支配下登録されたばかりの篠原も10試合。当初は若手起用をもてはやす声もあったが、同コーチに対しては最近は身内からも「使い潰すつもりか」との厳しい声が上がっていた。

 前回広島戦の惨敗を受け、首脳陣は今カード前にブルペンを再整備。中川と乾に代えて桜井、森福を昇格させたが、チーム内ではさらに、この日先発した大竹寛を中継ぎへ配置転換してはどうかとの要望も飛んでいる。現状は「そこは尾花さんが首を縦に振らないようだ」(球団関係者)とのことだが、球団内のストレスは暴発寸前だ。

 下位相手に痛恨の取りこぼしで、貯金は再び残り1となり、首位阪神とは5・5差に広がった。5安打無得点の貧打線もさることながら、投壊状況のブルペンをどうにかしないことには、V奪回どころか、Aクラス入りさえ危うくなる。