巨人に試練が訪れている。15日現在で何とかAクラスの3位とはいえ、貯金はわずかに1。5月も5勝5敗となかなか浮上のきっかけを見いだせずに苦しんでいる。そんな中、交流戦直前に組まれている阪神戦(23~25日・甲子園)と広島戦(26~28日・東京ドーム)の上位2チームとの6連戦について「ヘタをすれば“終戦”してしまうのではないか」との声までささやかれ始めている。

 今季の巨人は破竹の開幕5連勝で勢いづくと思われたが、徐々に失速。先週行われた首位・阪神との本拠地2連戦(9、10日・東京ドーム)、2位・広島との敵地2連戦(12日は降雨中止、13、14日・マツダスタジアム)の計4試合は1勝3敗で終えた。上位浮上を果たせなかったばかりか、特に広島には力の差を見せつけられて今季1勝7敗と完全なカモ扱いにされてしまっており、ダメージは相当に大きい。

 こうした悪い流れを一変させる「シーズン序盤でのラストチャンス」とチーム側が踏んでいるのが、阪神、広島と再び相まみえる来週23日からの6連戦だ。この6連戦を最後にチームは一旦リーグ公式戦を休止し、30日からは約3週間にわたるパ球団との交流戦に臨む。何としてでも虎と鯉を相手に前回対戦のリベンジを果たし、反撃態勢を整えたいところだ。

 しかし、チーム内外には「逆にこの直接対決で2チームに決定的な形でやられてしまったら、後々(ゲーム差を)取り返すのがかなり難しくなるかもしれない」とまさかの“終戦”を不安視する関係者も決して少なくない。15日現在で巨人は阪神と4・5ゲーム差、2位・広島に3ゲーム差。「それだけこの前の阪神戦、そして広島戦で巨人が流れを持ってこれなかったことは確か」と指摘するチームOBもいる。そんな最悪のシナリオだけは是が非でも避けねばならない。