中日・吉見一起投手(32)が燃えている。

 12日現在、リーグワーストの4敗。今季5度の先発で勝ち星なしとあって「崖っ縁だと思っている。ちょっといつもと気持ちは違う。勝たないことにはスタートできないんで。その中でどうやらないといけないか、自分なりの考えはある。極端な話、5回でバテてもいいんで。先は見ずに。立場的に余裕はない」ときっぱりだ。

 プライドがズタズタにされたことも関係している。14日のヤクルト戦(松山)に先発予定だが、ローテ通りなら10日のDeNA戦(ナゴヤドーム)に中6日で登板するはずだった。しかし、10日は2年目左腕の小笠原が先発。「焦りしかないですよ。ナゴヤドームで投げるつもりだったところを小笠原に取られて、なんでここで投げることになったかと、という意味を自分で理解してやり返すしかない」という。

 これにチーム関係者は「首脳陣の狙い通りだよ。ドームではない屋外の坊っちゃんスタジアム(松山中央公園野球場)で吉見を投げさせて『なにくそ!』と発奮させようとしてローテを変えたわけだからね」とニンマリ。

 14日に吉見が松山で投げれば、その後は中6日で6戦連続ドーム球場登板(ナゴヤドーム4度、京セラドーム、東京ドーム)となり、首脳陣はそれも考えてローテを変更したようだが、別の関係者は「その配慮が逆に吉見には“年寄り扱いするな”となっているのでは」とも。

 気合十分の吉見。周囲も今季初白星を期待している。