やっぱり変わっていなかった!? 巨人のマイルズ・マイコラス投手(28)が28日のヤクルト戦(神宮)に先発し、6回7安打、無失点の粘投で3勝目(1敗)を挙げた。打線も爆発して7―0と圧勝し、連敗を2でストップ。主導権を渡さなかった助っ人右腕は今季、昨季までの“奇行”が鳴りを潜めていたかに見られたが…。実はバックヤードでの不穏な行動が発覚。周囲の見る目にも変化が出始めている。

 初回からマギーの3ランを含む打者一巡の猛攻。4点のリードをもらうなど味方の大量援護に守られたマイコラスは、5回まで毎回走者を背負いながらも得点だけは許さず「リードをもらってリラックスしてマウンドに上がれた。ちょっと失投があっても大丈夫という気持ちだった」と攻撃陣への感謝を口にした。

 試合後の由伸監督は「よかったという感じではないと思うけど、何とかああやって投げてくれた」と一定の評価を与えつつ「いつも頑張れと言ってるよ」とさらなる好投を期待した。

 これでエースの菅野と並ぶ3勝目となったが、周囲から向けられる視線には変化が出てきている。マイコラスは3月下旬に美人妻と評判のローレン夫人との間に第1子となる長女が誕生。「子供のためにもジェントルマンになる」と心を入れ替えてからは常に上機嫌で明るく接し、昨季のように打席でバットをへし折ったり、ベンチで暴れたり、女房役の小林を怒鳴りつけることもなくなった。

 しかし、マイコラスの“紳士化”には暗雲が垂れ込めている。というのも、早くも周囲をドン引きさせる“事件”を起こしていたからだ。

 前回登板した21日の阪神戦(東京ドーム)では、今季初黒星を喫した。押し出し四球を与え、ジャッジに不服そうなしぐさをしながら何とか怒りをこらえ“成長”の証しを見せたかに見えたのだが…。

 チームスタッフによると「ベンチ裏は大変でした。トイレにあるゴミ箱に八つ当たりし始めて、ボコボコに壊してしまいました。何やら英語で叫んでいましたけど、すごい剣幕で怒りが収まるまで誰もトイレに入れなくなりました」とあきれた表情で明かし、別のスタッフも「やっぱり…という感じ。人間の本質はそう簡単に変わらないんだね」とため息交じりに語った。当のマイコラスは試合後、三塁側のファウルゾーンからクラブハウスに引き揚げる際、笑顔でファンの声援に応えていた。その顔はすっかり“ジェントルマン”だったが、今後はどうなるか――。