<ソフトバンク7-5日本ハム(25日)>ソフトバンクの千賀滉大投手(24)が25日の日本ハム戦(北九州)に先発し、3勝目(1敗)を挙げた。

 伏兵・松本にプロ初アーチを含む2本塁打を浴びて4点を失ったが、打線の援護もあり3戦連続でチームの連敗を止めた。これで3戦連続での2桁奪三振となり、4試合での38奪三振は12球団でもダントツ。試合後は「今日は野手の人のおかげです」と笑みを浮かべた。

 千賀はWBCで大ブレーク。世界の舞台で優秀選手にも選ばれて一躍注目を集めたが、周囲も変化を感じ取っている。「いい意味でこれまでとは言動が変わった。自分がチームを背負わなければいけないという自覚が強く出ているように感じる」(チームスタッフ)

 もともと芯がしっかりしていて強心臓の持ち主でもあるが、その潜在能力とは裏腹に「まだそんな選手じゃないので」などと謙遜した物言いをすることも多かった。ただ、今季は柱としての強い責任感を漂わせている。

 和田、武田が故障離脱してリリーフ陣に負担がかかる中で「僕がしっかりと長いイニングを投げないといけないと思っている」とも話す。この日も7回の時点で降板が考えられたが8回も続投した。工藤監督によると「『行けます』と強い意志を感じたから行かせた」という。

 佐藤投手コーチも「WBCであそこまで投げられたら自信もつくだろう。自分のボールを投げられたら、そうは打たれないんだから」。苦しい先発陣の中で今やエースの風格も出てきている。