首位・広島のドラフト1位ルーキー・加藤拓也投手(22)が2敗目を喫した。21日のヤクルト戦(神宮)に先発し、6回113球で5安打3失点。チームも1―3で敗れて今季初の3連敗となり、悪い流れを断ち切れなかった。

 1点をリードされた4回二死から連続四球でピンチを招き、大引に適時打を浴びるなど課題の制球不安も顔をのぞかせた。この日も終わってみれば5四球で通算与四球数は20にまで跳ね上がり、リーグワースト。4回二死からの失点について加藤は「そこが詰めの甘さ。不用意に点を取られることが多い」と反省の弁を口にした。

 しかしながら大崩れせず、クオリティースタートの内容で踏ん張ったのも事実だ。相手を上回る7安打を放ちながら、鈴木の2号ソロでしか得点を奪えなかった拙攻続きの打線に足を引っ張られた不運な面もあった。

 緒方監督は加藤について「力のある真っすぐもあったし、低めに空振りを取れるフォークもあった。長所も短所も出たね。いいところもたくさんあったし、伸ばしてほしい」と前向きなコメント。畝投手コーチも「前回(14日・阪神戦)よりも真っすぐはいいところに決まっていた。徐々に良くなっている」と評価した。

 それだけではない。ネット上でルーキーながら“ふてぶてしい”と論争を呼んでいる性格面についても、チーム内では逆に「頼もしい」と称賛されている。「(ふてぶてしいことは)ハートが強い証拠。試合でいいピッチングを続けていけば、そのスタイルが必ず認められるはずだ。弱々しい性格なんかよりも、そのほうがよっぽどプロにアジャスト(適合)できる」とセットアッパーのジャクソンも新人の気の強さに太鼓判を押す。

 エースのジョンソンが咽頭炎で長期離脱の可能性が高まる中、強心臓ルーキーにかかる期待は大きい。