<阪神4-1巨人(21日)>巨人のFA左腕が苦しんでいる――。21日の阪神戦は、先発マイコラスが初回に福留に3ランを被弾。打線も難敵メッセンジャーを打ち崩せず、そのまま押し切られて初戦を落とした。

 そんな試合で、またも不安定な姿をさらしてしまったのが、7回から2番手で登板した森福允彦投手(30)だ。先頭の糸井こそ遊ゴロに仕留めたが、続く福留に右前打、原口に四球、鳥谷にも左前打を浴び、あっという間に一死満塁。ここで支配下登録されたばかりの篠原にマウンドを譲った。

 育成出身右腕の好投で危機を断ち、リードが広がることはなかったが、相手に一打が出ていれば試合が終わってしまっていた場面。篠原については「今日もいいピッチング。次も期待したいですね」と語った由伸監督も、森福に対しては一転して顔を曇らせ「結果が良くないんでね。本人もその辺はわかっているでしょうし、次は違った結果になるように頑張ってほしい」と奮起を促した。

 山口鉄に代わる左のセットアッパーとしての働きを期待され、ソフトバンクからFAで入団した森福だが、ここまでは7試合に登板して0勝2敗、防御率5・40。指揮官が指摘したように、最近3試合は全て1/3回で降板。打者の左右関係なく走者をため、マウンドを譲るケースが目立つ。そんな現状を、本人はどう捉えているのか。

 試合終了から1時間半後、最後にロッカーから出てきた森福は「僕ですかね」と自分を指さして苦笑いしつつ、本紙の取材にしっかり応じた。不調の原因はどこにあるのか。どこか、かみ合っていない部分があるのか。ズバリ聞くと、左腕はゆっくりうなずきつつ「若干、悩みながら(マウンドに)上がっているのもあるし、投げ急いでいるのもある。それにしても、ひどすぎますが…」と語った。

 では、対戦歴が少ないセ・リーグの打者への対応に難しさや戸惑いを感じているのか。そう聞くと、静かに首を振って「自分次第ですね」と答えると、続けて「上がるからにはやるしかない。何か一つ変われば、(結果も)変わってくると思うので、頑張ります」と奮起を誓った。

 ソフトバンクでのワンポイント起用に納得できず、新天地を求めた森福だが、結果を残せないFA選手に対しては、ファンも球団もとことん厳しいのが巨人。シーズンは始まったばかりだが、残された時間はそう多くない。

 次回登板こそは、快投で見返したいところだが果たして…。