阪神が首位・広島の大型連勝を「10」で止めた。14日の広島戦(甲子園)を4―2で快勝し、今季初の4連勝で貯金も最多の3。立役者は3回に右翼線2点適時二塁打を放った好調男・鳥谷敬内野手(35)だ。「みんながつないで作ってくれたチャンスだったので、なんとか後ろにつなぎたかった。(先発に勝ちがついて)いい試合が続いている。もう2つ勝ちたい」と3連勝宣言した背番号1に金本監督も「今日はトリのタイムリー。あれが大きかった」とベテランの活躍をたたえた。

 リーグ2位の打率3割9分(14日現在)と絶好調をキープし、開幕から安打が出なかったのは13日のDeNA戦だけ。昨季の慢性的な打撃不振がうそのような滑り出しだが、チーム内からはすでに活躍が“予見”されていた。「トリの好調かどうかのバロメーターは、高めのボールをしっかり捉えられるかどうか。昨年は打撃練習からそれができていなかった。今年は(春季)キャンプから状態がよく、開幕からさらに状態が上がっている。この調子なら今年は間違いなく3割打つはず」(チーム関係者)

 昨季は金本監督の期待に応えるべく長打を意識し、ボールを引きつける打ち方にして調子を最後まで崩した。今季はそれを前でさばく“鳥谷流”に戻したことも奏功した。不死鳥のごとくよみがえった鳥谷に、ある球団幹部は「自分本来の打撃をこんなに早く取り戻して結果を出すとは、さすが。鳥谷はやっぱり天才だ」と大絶賛を繰り返したほど。何とも頼もしい限りだ。