<阪神4-1DeNA(13日)>阪神・藤浪晋太郎投手(23)が13日のDeNA戦(横浜)で8回1失点と好投し、今季初勝利を挙げた。この日は制球力抜群で与えた四死球はわずかに1。9回、打線が勝ち越したことで白星を手にした右腕は「前回、あまりに良くなかったので今回はしっかり投げたいと思っていた。勝ちをつけてもらってすごくうれしかったし、本当によく守っていただいたのですごく助けてもらった」とニッコリだ。

 4日のヤクルト戦(京セラドーム)では乱闘のきっかけとなる死球を与えるなど9四死球と散々だった藤浪を復活させたのは“野手陣の気配り”だった。制球が定まらず守備時間ばかりが長く、揚げ句に乱闘まで誘発してしまったとなれば野手からの信頼ゼロになってもおかしくない状況。しかし、前回登板後も野手たちはそっぽを向くどころか「考え過ぎるなよ」「頑張っていこう」などと温かい言葉で藤浪を励まし続けたという。この“声掛け”が効果てきめん。「ダメだった後、野手がどう思っているか、ピッチャーは気にしてしまうもの。それで考え込んで調子を崩してしまうこともある。話し掛けられて気が楽になれたはず」(チーム関係者)

 藤浪の進化を金村投手コーチも「前回、あれだけのピッチングをしたのに野手が声を掛けてくれて感じるものがあったと思う。野球は一人ではできないし、もう少し人に頼ってもいいということを学べて、すごく勉強になったはず。これを続けられるようにしてほしい」と喜んだ。「チームがいい流れで来ているので、自分も次に向けてしっかり備えて勝てるように頑張ります」と誓った藤浪。この経験を生かし、勝ち星量産モードに突入する。