広島は12日、巨人との首位攻防第2戦も9―5で勝利。4番の新井貴浩内野手(40)が2打席連発の本塁打を放つなど4打数2安打4打点の大暴れで、チームの9連勝に貢献した。

 2点ビハインドの2回、先頭で打席に立った新井はカウント0―1から内海の直球を左翼席へ放り込んだ。3月31日、阪神との開幕戦(マツダスタジアム)以来となる2号ソロを「(点を)取られた後の回だったので、本塁打になって良かった」と振り返った。

 同点の3回、再び打席に立った背番号25は一死一、三塁と勝ち越しの好機で今度は右翼スタンドに3号3ラン。「打ったのは直球。内海はカットボールを投げてくると聞いていたが、直球を狙っていた」と、してやったりだ。緒方監督は「新井さんの目の覚めるような一発はお見事。びっくりしたよ」と目を細めた。

 40歳で迎えた今季は阪神時代の2012年以来、5年ぶりの開幕4番を務め、“ミスター赤ヘル”山本浩二氏の39歳5か月を超える球団の開幕4番最年長記録を更新。「ユニホームを着ていれば年齢は関係ない。若い選手に負けるつもりはない」と常に競争を意識しており、前日11日の巨人戦で22歳の鈴木誠也に4番の座を“譲った”ことも発奮材料になったはずだ。

 そんな新井を東出打撃コーチは「(移動日を含めて)休養が2日あったのは大きい」としながらも「引っ張って、あそこ(左翼席)まで飛ばせている。全然衰えを感じない」と“四十路パワー”に脱帽。OBの山本氏は1986年、リーグ優勝を花道に40歳で現役を退いたが、衰え知らずの新井にはあの“ミスター赤ヘル”を超えるアラフォーでの活躍が期待される。

 2位の巨人とは早くも3ゲーム差。ベテランにけん引された昨季のセ・リーグ覇者が独走態勢に入ろうとしている。