【センバツ】呉が履正社に大善戦 負けてもナインに笑顔

2017年03月25日 15時40分

履正社に敗れた呉ナイン

 第89回選抜高校野球大会第6日(25日、甲子園)、創部10年の呉(広島)が強豪・履正社(大阪)に0―1と惜敗した。履正社はベスト8一番乗り。

 初戦に続き、エース左腕・池田が完投した。1回二死二塁、4番・若林に適時二塁打を許した。しかし、その後は立ち直った。4回一死二、三塁のピンチも空振り三振と内野ゴロで切り抜けた。速球とスライダーで緩急をつけた投球は、履正社打線に間違いなく通用した。

 6安打1失点で終えた池田は「自信になりました。強豪校相手でも低めに集めたら1点に抑えられるんだ」と手応えを感じた様子だ。

 特に履正社のプロ注目のスラッガー、3番・安田には4打数無安打1四球。試合後の安田が浮かない顔で「自分たちのスイングができず、相手バッテリーにいいようにやられた」と漏らした言葉は、呉への賛辞といえるだろう。

 呉の中村監督は「よくやった。打つほうはサッパリだったが、守りは100点やりたい」と愉快そうに話した。「昨日の夜中3時に恐怖で目が覚めた。大敗したら格好悪いし、甲子園に行きたくなかった」と明かし、試合前には「10点くらい取られるから、それくらいならOKと言った」という。

 格上の相手に吹っ切れたのか、監督よりも選手のほうがノビノビと戦った。冬の間の守備力アップが見事に花開いたと言えよう。選手たちは甲子園の土を持って帰らない。中村監督から「土を持って帰るな。心に刻めばいい」と言われていたからだ。

 最後の最後まで優勝候補を苦しめ続け、甲子園に呉の名前を印象づけることができた。負けても、それ以上に収穫のあった試合だった。