オープン戦最下位に沈む巨人で外国人枠問題が再燃しつつある。守護神・澤村が戦線離脱し、開幕一軍も絶望的となったことでリリーフ陣を手厚くせざるを得ない状況に。野手ではギャレットと新助っ人のマギーが不振から抜け出せず、ここへきてルイス・クルーズ内野手(33)に“一発逆転”の可能性が浮上している。

 巨人は21日、オープン戦最後の遠征試合(22日、日本ハム戦)のため三重・伊勢へと移動。WBC日本代表の坂本、菅野、小林を欠くとはいえ、開幕まで1週間で何とかはずみをつけたいところだ。

 しかし、チーム状況は決して芳しくない。澤村の離脱が外国人枠にも影響を及ぼしてきている。以前から抱えていた右肩不安が再発したとみられ、登板予定だった18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で早退。現在はジャイアンツ球場でリハビリ中の身でこの日も本格的な投球練習を行わず、室内練習場でのネットスローなどの調整に終始した。由伸監督も「(開幕までのオープン戦で)投げないんで、ないんじゃないですか」と澤村の見通しを語ったように、チームは昨季のセーブ王不在のままシーズンに突入することになりそうだ。

 そこでまず頼みの綱となるのが、助っ人救援陣だ。球団スタッフは「澤村が開幕に厳しくなったことで、まずカミネロとマシソンは、よほどのアクシデントが起きない限り枠から外せない。もちろんマイコラスも先発ローテから外すわけにはいかないので、投手3人、野手1人という形を取らざるを得なくなるのでは」と指摘した。

 では、野手の1枠を射止めるのは誰になりそうか。同スタッフは「二塁手も誰かに固定するには決め手に欠けていて、結局はクルーズになるのでは?」と予測する。

 巨人2年目のギャレットは打率0割7分7厘でスランプから脱出できず、ファームで再調整。二軍戦でも3打席連続三振を喫するなど復調の兆しは見えてこない。マギーは一軍にこそ同行しているが、同1割7分1厘と状態が上がらず、守備でも精彩を欠く場面が出てきている。詰まるところ、クルーズしか選択肢がなくなるのでは?という見立てだ。

 クルーズは昨季終盤に一部首脳陣と衝突し、今季は外国人枠からはじかれる筆頭候補だった。

 今でもチームには新戦力のマギーを試したい意向も強くあるが、不振が続くようならクルーズにも出場の目が出てきそうだ。