元侍ジャパンの「いぶし銀」こと巨人・井端弘和内野守備走塁コーチ(41)が後輩侍たちに金言を贈った。2013年の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では3連覇こそ逃したものの、自身は打率5割5分6厘をマークするなどの大活躍で、大会ベストナインの指名打者部門に選出された。21日(日本時間22日)の準決勝・米国戦を前に本紙の直撃に応じた同コーチが、当時を振り返りながら大いに語った。

 ――WBCは見ているか

 井端:全試合見てますよ。

 ――いよいよ決勝トーナメントだ

 井端:準決勝で僕らは(プエルトリコに)負けたんでね。ここからは負けた時点で終わり。あの時は何となく「あれ、あれっ」ていう感じで(プエルトリコ戦の)5回ぐらいに入っていたような気がした。(選手たちは)1打席目から「行くぞ」という姿勢で臨んでくれればいいかなという気がします。

 ――チームが敗退した準決勝でも自身は2安打を放った。異国の地で何を心がけていたのか

 井端:いや、気持ちはあんまり予選と変わらなかったです。全打席打てるってあの時は思ってましたし、調子も良かった。まあ(大会の)1打席目にヒットが出てから何か全部打てそうな雰囲気で打席に立ってましたから。実際に凡打した時も「ああ打てたなあ…」というふうに思って凡打していたんで。だから、そのまま向こう(米国)に行ってもできたのかなと思う。

 ――よく指摘される「完全アウェー」という感覚は当時あったか

 井端:いや、アウェー感はなかったですよ。いいプレーには拍手もくれる。そういう感じだったので、あまり気にしませんでした。逆に日本を応援しようかと思わせるようなプレーを見せていけば、僕は大丈夫かなと思いますよ。

 ――巨人の選手もいいプレーをしている

 井端:やっぱり巨人の選手は気になりますね。(菅野)智之は今度大事なところ(米国戦)で投げるんで。ちょっと「ふがいない」とは自分でも思っているようなんでね。頑張ってもらいたいなと思います。

 ――坂本はさすが

 井端:あんまり目立っていないですけど、彼が一番実はチームで(打率4割5分で)打っているんですよ。ポイントゲッターではなく(坂本が)出て小林がかえすというパターンになっているとは思う。自分の役割をやってくれれば、たぶん(今後も)いいところで回ってくるんじゃないかな。決めるところでね。

 ――小林が急成長

 井端:そうですねえ、まあジャイアンツでも打ってくれればいいですけど(笑い)。

 ――ちなみに因縁のプエルトリコは日本とも決勝で対戦する可能性がある。当時から要注意とされていた強肩のモリーナ捕手(カージナルス)については

 井端:僕はどうかなあと思いながら(グラウンドに)いましたけどね。それ言っちゃあ、失礼ですけどあまり意識はなかったです。うん、レベル的には…。小林のほうがいいんじゃないですか。

 ――小林が上!?

 井端:うん、モリーナよりも。僕はそう見ているんですけどね。いつもアイツの(送)球を見てますし。捕ってからの速さと正確性では小林のほうが上だと思うんですけどね。小林の肩はメジャー級だと思いますよ。

 ――今大会ではそれが十分に見せられている

 井端:現にWBCでは走られていない。誰も走ってこないと思うんですよね。それだけでも、もう戦力じゃないですか。ピッチャーはバッターに集中できるし。

 ――世界一奪回が期待できそうだ

 井端:大丈夫ですよ。なれます、なれます!