第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝トーナメント進出を決めた侍ジャパンに強力な“援護射撃”だ。日本ラウンドを6戦全勝で終え、世界一へ快進撃を続ける攻撃陣が心がけるべきポイントは何なのか。WBC出場経験者の巨人・阿部慎之助内野手(37)、村田修一内野手(36)の両主砲が揃って挙げた“攻略法”は――。

 1、2次ラウンドを全勝で乗り切った日本代表をけん引したのは活発な打線だ。6戦で3本塁打、8打点の大暴れをみせた日本の主砲・筒香(DeNA)をはじめ、中田(日本ハム)も5戦3発、8打点の活躍。チーム全体としても打率3割1分9厘、10本塁打、46得点で米国行きへ大きな原動力となった。

 目指すは世界の頂点。今回のWBCで代表入りできなかった選手たちも思いは同じだ。打線は好調だが、国際大会を勝ち上がるためにはどういう意識で打席に入ればいいのか。2009年、13年のWBC、さらにシドニー、北京五輪出場と国際経験豊富な阿部は確信を持ってこう断言した。

「投手には球数制限があるけど、打つ方は打つ方で審判との“闘い”もある。思ってもいない、とんでもないところをストライクと取ることがあるからね。日本みたいにきっちりとストライクは取ってくれないし、人によっても全然違う」と指摘すると「実際にやってみて思ったのは、やっぱり早いカウントで勝負をつけないと打者にとっては損だということ。俺は追い込まれたら、終わりだと思っていた。ツーストライク勝負のつもりでいかないといけない。だから、大事になるのはファーストストライクをいかに打つかということだね」とキッパリ。

 また、横浜時代に北京五輪代表、09年WBCで日の丸を背負った村田が挙げたポイントはこうだ。「球数制限もあるし、海外の投手はどんどんストライクを取ってくる。誘ったり、ボール球で打たせようとかはあまり考えてない。世界大会は“ガチンコ”なんでね。あまり考えすぎず、最初の甘い球はより積極的にガンガンいった方がいいと思う。最近はみんな短期決戦の経験もあるから大丈夫だと思うけど」

 図らずも、巨人のベテラン2人が揃って口にした世界一への突破口は“ファーストストライクを確実に一撃で仕留めろ”というもの。決戦の地・米国に入った侍戦士たちを後押しする金言となるに違いない。