侍ジャパンが2日、阪神、オリックスとの強化試合のため博多から大阪入りした。本紙WBC取材班の女記者・杉浦は、報道陣でごった返す博多駅のホームから小久保監督に密着。前夜の快勝もあり「レアものの“小久保スマイル”が拝めるかも…」と口元が緩むその瞬間に注目していたが、侍の指揮官はクールな表情を崩さず、いつも通りの無表情で取材に応じていた。

 チームは大阪到着後に京セラドームで全体練習。小久保監督の表情はさておき、グラウンドはいつも以上に明るかった。この日から青木が合流。最年長で唯一のメジャーリーガーとあって積極的にナインに声をかけ、打撃練習でも右中間を中心に快音を響かせるなど状態のよさをうかがわせた。

 そんな青木の姿に、杉浦は前日の稲葉打撃コーチの「青木が来れば雰囲気が変わると思うよ」という言葉を思い出していた。小久保監督は「唯一のメジャーリーガーとして向こうでやってきた経験と強さをチームに与えてくれたら。短期間だけど一番上なんで、代表の立場で溶け込んでくれたら」と期待を寄せ、青木もチームリーダーの自覚は十分。「なるべく話しやすい環境にしたい。アドバイスをひと言言えるような、そこを求められている。一番下の松井裕(楽天)までコミュニケーションを取ることは大事。アオさん、ノリさんで。やりやすい環境でプレーさせてあげたい。他国のメジャーリーガーもだいたいわかる。聞いてもらえれば答えたい」とウエルカムの姿勢だ。

 ヤクルト時代の元同僚で、背番号1の後継者でもある山田にも「テレビで活躍は見てた。それを目の前で見せてほしい」と呼びかけ、山田も「気さくに声をかけてくれって言われました」。リーダー不在と言われていた侍ジャパンに、頼もしい支柱が誕生した。