中日のドラフト1位ルーキー・柳裕也投手(22=明大)が先発した2日の日本ハム戦(札幌ドーム)で“緊急降板”した。初回1安打1失点でベンチに下がるとそのまま交代が告げられた。

 通常、オープン戦では降板後に行われる試合中の囲み取材は球団サイドからNG。コメントについても「こういう場合はしません」とお達しが出るなどピリピリムードに包まれた。試合後の柳は「僕の口からは何も言えないんですよ。すいません。内容? 見ての通りじゃないですか」と言葉少な。森監督は「柳? おう! 投げただろ」とだけ言うと足早にバスに乗り込んだ。

 期待のルーキーの早すぎる降板劇。その真相のヒントをくれたのは友利投手コーチだった。「予定通り。予定通り。アクシデントじゃない。点を取られたら代えるよと言ってあった。あれ以上投げてもしょうがないでしょ。先発ピッチャーはいっぱいいるから。みんな落ちないから。投げるところがない」

 この日の柳は失点こそ1だったが、1イニングで球数は30。レアード、横尾などに対して、ストライクゾーンで勝負に行かず、逃げ腰の投球が目立った。そうした弱気な態度に「そんな投球なら他の投手を使いますよ」という厳しいメッセージだったのだろう。

 新人の柳には、首脳陣もこれまで気を使ってきた。初の対外試合となった2月15日の韓国KIAとの練習試合(北谷)で直球は130キロそこそこ。その数字に力んではいけないと、球場の球速表示を試合中にやめさせる異例の対応までしている。そんな柳への初の“カミナリ”。お客様扱いは終了したということかもしれない。