2日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発した中日ドラフト1位の柳裕也投手(22=明大)が“緊急降板”した。当初は4回をめどに投げる予定だったが初回1安打1失点でベンチに下がるとそのまま交代が告げられたのだ。

 何かがあったのは明らかだった。通常のオープン戦では降板後に行われる試合中の囲み取材が球団サイドからNG。コメントについても「こういう場合はしません」とお達しが出るなどピリピリムードに包まれた。

 オープン戦初登板となった期待のルーキー。先頭の西川は得意のカットボールで二ゴロに打ち取る上々の立ち上がり。しかし、昨年の日本一チーム。そう簡単に終わらせてはくれない。すぐに試練が待ち受けていた。立ちはだかったのはカットの名手・中島。カウント2—2から3球連続でファウルを打たれ、たまらず四球を与える。

 続く田中は大学時代には封印していたチェンジアップで三邪飛に抑えるが、続くレアードの打席で中島に二盗を許し、得点圏のピンチを背負う。長打を警戒して外角中心の苦心の攻めをするが、カットボールを左前に運ばれるタイムリー。対外試合4試合目にして初めての失点となった。

 その後、横尾を四球で歩かせてピンチが広がったが続く石井一(早大)を中飛。最少失点でマウンドを降りたが、続く2回に交代が告げられた。「大学時代にとてもよくしてもらった」と楽しみにしていた有原との投げ合いはわずか30球1イニングで幕を閉じた。