侍ジャパンを丸裸にしていた台湾野球

2017年03月02日 16時30分

台湾リーグ選抜に勝利し、ナインを迎える小久保監督(中)

 侍ジャパンが1日の台湾プロ野球選抜との壮行試合に9―1で大勝し、どうにか面目を保った。それでも前夜は17安打8失点を許して完敗しているだけに不安は残る。今回のWBC、この台湾とは2次ラウンドで対戦する可能性があるが、舞台裏を探ってみると…。台湾が決勝ラウンド進出への大きな壁となりそうだ。

 

 台湾選抜との壮行試合を1勝1敗で終えた侍ジャパン。WBCに出場する台湾代表とは別チームだが「格下」とみられていた“台湾Bチーム”がなぜ日本を苦しめることができたのか。2月28日の壮行試合初戦で「台湾の要」として勝利へ導いた捕手の林泓育(ラミゴ)を直撃すると、勝因は「情報量が大きかった」としてこう続けた。

 

「台湾では日本の野球の試合は毎日のように放送されているので、台湾のプロ野球選手なら日本の主力投手や野手の特徴はほとんど知っている。実際にプレーしている映像をユーチューブなどで容易に収集することもできる。そういった情報をもとに対策を立てたのです」

 

 では、具体的な対策とはどのようなものだったのか。林捕手はその一つとして「投手のクイック投法」を挙げ、こう説明した。

 

「日本の投手のフォームは比較的ゆっくり。打者もそのフォームに合わせて始動するので、我々は投げるテンポを細かく変化させたりして、打者のタイミングを外しました。日本の打者は調整段階とはいえ、打ちにくそうな感じでしたね。個人的にはバッテリーのこうした対策が良かったのかなと思います。日本と対戦することになれば(WBC)台湾代表も同じような対策をするかもしれませんね」

 

 テレビやネットに出回る豊富な映像で各打者を分析したうえで、効果的な対策を練る。その結果が功を奏したとなれば、台湾はWBC本番でも不気味な存在となる。

 

 現時点で、台湾代表が入る1次ラウンドA組4チーム(韓国、台湾、オランダ、イスラエル)のうち、2次ラウンドに進出するのは前回大会ベスト4のオランダと、日本のライバルである韓国と言われる。だが、オランダ代表はバンデンハーク(ソフトバンク)を除けば投手陣に不安があり、韓国も元阪神の呉昇桓(カージナルス)を除けば国内組中心。弱体化は否めない。台湾が1次ラウンドを突破し、2次ラウンドで日本と対戦する可能性は高い。

 

 日本は前回大会で台湾に苦戦。敗戦目前の9回二死から井端(現巨人内者守備走塁コーチ)の同点適時打で追いつき、中田の決勝犠飛で辛勝した「苦い過去」がある。

 

 前回に比べ勢いが感じられない日本代表。台湾が「壁」となり、準決勝が行われる「米国行き」を阻まれないといいのだが。