【WBC侍ジャパンドキュメント2017(2月27日)】「これが前日、ソフトバンクに4安打0封負けを喫した侍ジャパンと同じチームなのか?」

 本紙WBC取材班の一員で今回が4大会連続のWBC取材となる広瀬は我が耳を疑った。宮崎合宿最終日となった26日は野手と投手が分かれて練習を行ったが、ノック中から三塁を守る松田の「ヨッシャーッ」「まだまだ~っ」との叫びがスタンドにこだました。

 33歳の松田が率先して声を出せば若手が出さないワケがない。至る所から声が出る、初日とは打って変わった活気ある練習は宮崎のファンを喜ばせた。

 さらに圧巻だったのは稲葉打撃コーチ発案の「稲葉ジャンプ」ならぬ「稲葉ダッシュ」。松田が「いっちゃいますよ~」と絶叫。全体練習の最後に20メートル×10本、10メートル×10本のダッシュを野手全員で繰り返した。

 本紙WBC取材班・坂庭は稲葉コーチから「(打席での)キレが落ちていたので小久保監督にダッシュをやらせたいと進言した。彼らはWBC後に長いシーズンを戦う。代表ではダッシュのメニューがなくても本当は自分たちで気がつかないといけないんだけど」とその真意を聞いた。

 声出しと全力疾走で雰囲気を変える? 少年野球じゃあるまいし、何をいまさらのような気もするが…。そもそも日本の野球というものは、ここが原点ということなのかもしれない。

 合宿の最後で活気を取り戻した侍ジャパン。小久保監督は打線について「これから(調子が)上がってきますよ」と淡々と話した。24日の宮崎市内の焼き肉店で開かれた決起集会では、焼酎を片手に選手たちが座る全テーブルを回る気遣いを見せた指揮官も手応えをつかんだ様子だった。