今年も難解な「佑ちゃん劇場」が開幕した。21日、日本ハム・斎藤佑樹投手(28)が楽天との練習試合(名護)で2回7安打5失点(自責3)と炎上。これまで2試合に登板して4回2失点(自責0)と一定の結果を出していた韓国球団と違い、互いに勝手を知ったパ・リーグ相手では、ごまかしが利かなかった。

 4回、失策などで無死一、三塁のピンチから下位打線に4連打されて3失点。5回にはアマダーから左翼に大ファウル後、打ち直しの2ランを叩き込まれ、厳しい現実を突きつけられた。

 傷心の斎藤は「点を取られたのが悔しい。エラーがあって崩れるのが一番良くない。ゴロを打たせようと思っているので、ああいうこと(トンネル)はある。自分の切り替えの問題。(4連打は)決して甘い球ではないと思うが、球の力が弱い。その辺の強さを出すことが次に向けての課題」とコメント。

 栗山監督は「佑樹にとっても、すごく良かったと思う。ボールは悪くなかった。ただ、ボールが良くなってくることによって、ああいう組み合わせで自分が投げ方をいろいろ考えないと、当然ああいうことが起こるということが分かって良かった」と、複雑な言い回しでフォローした。

 斎藤と栗山監督の場合は、常にこうした“難解な解説”がつきまとう。この分かりづらさは外部の人間には、なおさらだろう。WBC関連の仕事で現場にいたメジャー関係者は「どうして日本ハムは、あれだけセイバーメトリクスに基づいてチーム運営をしているのに、彼(斎藤)のことになると非セイバー的な理論になってしまうのか、理解に苦しむ。裏に何かあるのではと懐疑的になるし、完全実力主義の米国では、あり得ない優遇」と首を振ったが…。まさに正論だろう。