【キャンプ話題の人を直撃!】ソフトバンク日本一奪還のキーマンで右ヒジ不安からの完全復活を目指す柳田悠岐外野手(28)が、今季への並々ならぬ意欲を本紙に語った。一昨年11月に、右ヒジの遊離軟骨を除去するためのクリーニング手術を受けたが、完治には至らず、昨季のCSで状態が悪化。宮崎春季キャンプではリハビリ組に交じって練習を行っている。シーズン開幕まで残り1か月半。一昨年のトリプルスリー男は今、どんな気持ちで調整しているのか。

 ――自主トレまではノースローだったが、今は50メートルを優に超える距離で強いボールを投げている。右ヒジの状態は

 柳田:不安なく投げられています。この調子で状態を上げていきたいですね。

 ――守備からリズムをつくっていくタイプ

 柳田:はい。そういう選手です!

 ――ならば、なおさら開幕戦からDHではなく、本職の中堅で出たい

 柳田:そのつもりだし、そういうイメージで今は練習しています。

 ――リハビリ組だが、表情が常に明るいし、楽しそうに練習している

 柳田:そう見えますか。やっぱり、野球は楽しいですからね。まあ、この1年見といてください。今年はメッチャ打ちますから(ニヤリ)。

 ――相当な意気込みだが、戦線離脱した昨季の悔しさを晴らす気持ちが強いのか

 柳田:いや、そういうわけじゃないです…。

 ――といいますと

 柳田:普通にやれれば打てるなって感覚があるので。ただそれだけです。

 ――自信満々だ。普通にやるとは具体的に

 柳田:自分の打撃をするってことです。普通に自分の打ち方を。

 ――「柳田の打撃」とは

 柳田:2015年の「ホームラン狙い」のバッティングです。

 ――確かに狙っていた。全打席狙っていたのでは

 柳田:終盤戦は特にそうでした。全部狙ってましたもん。自分の中では、あの打ち方が一番いい。

 ――それでも大振りとは違う

 柳田:はい。いい角度でバットを出す、いいポイントで打つ、うまく体を回転させる、そういう打ち方をしないとホームランは打てないんです。自分にとって一番いい打ち方っていうのは、ホームランが出るときの打撃。いい打ち方をすると、ヒットも増える。そういう打撃はホームランを狙っている打席ほどできていたなって、振り返ってみて思うんですよ。だから、そういう意味での「ホームラン狙い」。全打席狙うくらいの気持ちで、今年はいこうって思ってます。

 ――夢の50発を期待するが

 柳田:50はエグイ。めっちゃ難しいっすよ、50は。だって一昨年、34本打ったんですけど、あれでも正直、自分の中では「メッチャ打ったなぁ」って思ったんですよ。

 ――トリプルスリーより難しい

 柳田:間違いなく難しいと思います。打ってみたいって思いますけど、どうやったらそんなに打てるんか、想像できない。簡単に口にできる数字じゃないです。

 ――トリプルスリーよりも魅力的か

 柳田:50発打てる方が魅力的でしょうね。難易度が高いですから。でも、ホームランだけの選手だったら、それは自分の理想ではないですけど。

 ――タイトルや記録が注目される選手になって、シーズン中に数字を意識することもあるのか

 柳田 新聞を読んでると、成績表が目に入るじゃないですか…。極力見ないようにはしてるんですけど、記事を読んでると見えてしまう。それで、ちょっとね…。気になることはありますよ。でも、こればっかりはしょうがないっす。

 ――昨年1月には長女が誕生。心境の変化、野球への取り組み方に変化が生まれたりは

 柳田:心境の変化は特にないと思うんですけど、毎日、メチャクチャ癒やされてます。野球をやっている中で、そういうものがあるのは大きいなぁって思いますね。あっ、でも、バリバリで現役を長くやりたいという気持ちが、これまでよりさらに強くなったと思います。

 ――選手寿命を長くするために取り組んでいることは

 柳田:オフにウエートトレーニングを本格的に取り入れました。完全に糸井嘉男さん(阪神)の影響です。去年まではやってこなかった。でも、今年36歳の糸井さんが年々進化しているんですよ。14年から一緒にトレーニングさせてもらってますけど、打力も走力も毎年パワーアップしている。あの人に会うまで自分も普通に30過ぎたら衰えていくんだろうなって悲観的だったんですけど、考えが変わりましたね。糸井さんがやってることをまねしてみようと思ってやり始めました。

 ――糸井とのグアム合同自主トレ中には、ゆで卵の白身ばかり食べていた

 柳田:食事制限も初めてでした。体が軽くなってキレが出たし、強くなった。30過ぎたら“断食トレ”も始めようかな。糸井さんがやってますから。長くやるために、いろいろ考えたり試したりしながら、自分に合うトレーニングを見つけていきたいですね。

 ――娘さんにカッコいい姿を見せ続けないといけない

 柳田:衰えないように頑張ります!