3月31日の開幕カード(札幌ドーム)で日本ハムと対戦する西武が現在、右足首痛で別メニュー調整を行っている大谷翔平投手(22)の「開幕投手警戒」を強めている。

 13日、日本ハムは沖縄・名護での2次キャンプがスタート。右足首の回復具合が注目される大谷は全体練習を離れ、別メニュースタートとなった。しかし、この日は走力メニューの種類も変わり、室内でのマシン打撃では初めてスパイクを履くなど全体練習合流も目前。大谷は「打った感じは普通ですね。打つことは現状でできるので、打った後、走れるかどうかでしょうね」と課題を語った。

 栗山英樹監督(55)は「もちろん投げるのはまだまだだけど、打つことで少し前に進めるのかな。今日の体の感じを聞いて考えます。とりあえずバックはしていない」と目指す野手での開幕戦出場に一定の手応えを口にした。右足首の状態が思わしくなくワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を辞退した投手・大谷に関して指揮官はすでに「(開幕は)間に合わないと思っている」としているが、これに疑惑の目を向けているのが開幕カードの相手になる西武だ。

 西武は早速、国内キャンプ初日となったこの日、亀井チーフスコアラーを名護に派遣。同氏は長い時間ブルペンに張り付いて新外国人左腕のエドウィン・エスコバー(24)や白村明弘(25)、石川直也(20)、井口和朋(23)、手術明けの上沢直之(23)らの投球に目を凝らし多くのメモを取っていた。

 亀井スコアラーは日本一軍団の投手陣について「質量ともに層が厚い。リリーフ陣がこれだけ厚ければ多少の故障者が出ても楽にシーズンを回せる。おまけに選手を適材適所にはめて能力を引き出す栗山監督の眼力も球界随一」と日本ハムの編成とマネジメント力を大絶賛。その上で開幕戦での先発回避が濃厚な大谷について「いやー、分かんないですよ。いきなり来るかもしれない。来ないと思っていないですから」と、開幕先発の可能性を消していない認識を明かした上で、こう続けた。

「今は足がダメで(投手調整は)何もしていないですけど、いつ投げられるようになるか把握しておかないと。変な話、一回投げただけで来るかもしれない。オリックスの金子君みたいに(オープン戦で)一回も投げずに来るかもしれない。そこは想定しておかないと。故障の重さも分からないけど(大谷は)来て当然。来なかった時にこの投手というのを把握しておかないといけない」と警戒感を露わにした。

 昨年9月28日のシーズン最終戦で1安打15奪三振の完封勝利で胴上げ投手になった天敵・大谷の“逆転開幕投手”の可能性を想定しながら西武偵察部隊の情報収集はこれからが本番を迎える。