侍ジャパンメンバーの阪神・藤浪晋太郎投手(22)が13日、DeNAとの練習試合(宜野座)に3回から2番手で登板し、2回無安打無失点の好投を披露した。初の対外試合で最速153キロをマークするなど打者6人を簡単に料理したが、特に注目を集めたのは“新ツーシーム”。桑原を二ゴロ、網谷を中飛に仕留めるなどDeNA打線を封じたボールは今までのツーシームよりも変化の幅が大きいものでNPB球よりも曲がりやすいWBC球の特徴を生かして編み出した“新球”だ。

 これによって打たせて取る投球も可能となり、藤浪は「全体的に真っすぐが8割でツーシームも投げた。今までにないピッチングスタイル。そういうテイストでの投球になった。まだまだ調整しないといけないが、今日は良い登板になった」と手応えを強調。制球難から球数を要してしまうという積年の弱点も「(WBCでは)球数に制限があるなかでゴロアウトを取ることができれば少なくいけるだろう」と香田投手コーチ。チーム関係者からも「日本球でもコントロールには苦しむタイプなのでWBC球ではもっと苦労するかと思っていたが、うまくフィットして良かった」との安堵の声が飛び交った。

 視察した侍ジャパンの小久保監督は「今までのイメージとは違って、新しい藤浪という感じでまとまっていた。今日のようなピッチングを中でやってくれればチームが勝つ確率は格段に上がる。使い場所は幅広く考えられる」と“中継ぎエース”として大きな期待を寄せた。WBC用の“新球”を手に入れた藤浪は「与えられた仕事をするだけ」と、早くも世界の舞台に向けて意気込んでいる。