中日の谷繁元信前監督(46=評論家)が10日、2日連続で古巣の北谷キャンプを訪れた。前日9日は森監督やスタッフ、数人の選手とあいさつしただけですぐに帰ったが、この日はほぼ1日かけて練習を視察し、あちこちで旧交を温めた。

 前指揮官と選手が顔を合わせるのは、昨年8月途中に成績不振で監督を事実上解任されて以来、半年ぶり。ナインの間では「自分たちの責任もあってああいうことになったのに、まったくあいさつできないまま監督を辞められてしまって…。ずっとモヤモヤした気持ちがあった」との声が少なくなかった。それだけに福谷が「やっとあいさつできました」とホッと胸をなで下ろせば、若松も「谷繁さんのおかげで一軍に呼んでもらえたというのがある。話もできましたし、今後もプレーで恩返ししないといけない」と気合を入れ直す。

 名古屋市の東山動植物園のイケメンゴリラ「シャバーニ」似と呼ばれた福も「谷繁さんをブルペンで見かけて気合が入りました。『やせたなあ。もうシャバーニと呼べないじゃん』とも声もかけてもらえました。今オフは最大8キロの減量に取り組んできたので最大の褒め言葉をもらったと思う」と目を輝かせた。

「選手とはあんまりしゃべってないです。雑談程度」と照れ隠しする谷繁前監督だが、教え子たちとの交流に笑顔。森監督も「今後もちょくちょく来てほしい? また来てくれるんじゃないの。これから試合が始まれば、いくらでも会えるし、ナゴヤドームにも当然来るだろうし、そのへんは心配してないよ」と後押しする。訪問回数が増えれば増えるほど、今季の竜ナインのモチベーションが上がりそうだ。