WBC日本代表の小久保監督と権藤投手コーチが10日、楽天のキャンプ地・久米島を訪問。ブルペンで33球を投げ込んだ則本昂大投手(26)や松井裕樹投手(21)ら侍戦士の調整具合を視察した。

 指揮官は則本の起用について「登板は(1次ラウンドの)3試合のうちのどこか。もちろん先発もそうだし、中(継ぎ)でも力を発揮できるピッチャー。そういう強さ、気持ちは評価している」とスクランブル登板の可能性を示唆。松井裕についても「一番後ろとは決めてない。7、8、9回と、後ろの方では考えてますが」と抑え固定はしない考えを明かした。

「自分は仕事をもらった立場。どこで投げようがそれが世界一につながるなら関係ない。役目を与えられるだけで幸せなこと。一生懸命やるだけです」と話したが、周囲からは心配の声も出ている。前回WBCで日本代表投手コーチを務めた与田コーチは「そこに関しては僕らは立ち入れない場所。僕も(第2回WBCで)ダルビッシュを抑えに使ったりしたし、人のことは言えない。でも、できるだけ自チームと同じポジションで使ってほしいけどね」と本音を漏らす。別の関係者も「先発と中継ぎじゃ調整がまるで違う。(2015年の)プレミア12のときも普段やらない中継ぎで失敗したし、また則本が“戦犯”みたくなるような起用法はやめてほしい」と懸念する。

 球数制限の厳しいWBCでは、継投策の是非が勝敗を分ける。プレミア12では準決勝・韓国戦で継投ミスに泣いた小久保監督だけに、今回も投手起用には慎重を期したいところだが…。