WBC日本代表の阪神・藤浪晋太郎投手(22)が沖縄・宜野座キャンプ第2クール2日目の8日、紅白戦に登板して2回無失点と好投した。

 WBCではリリーフ起用の可能性があるため、2番手でマウンドに上がり、最速148キロで4奪三振。雨が強まる悪コンディションの中、鳥谷と高山に浴びた2安打のみに抑え、滑りやすいとされるWBC公認球をうまく扱った。「真っすぐとカットボールが特に良かった。フォームのバランスが良かったし、しっかり立ってしっかり投げられた」とにっこりだ。

 まさに順調そのものの藤浪だが、そんな中、阪神OBの本紙評論家・遠山奨志氏はあえて虎首脳陣ら周囲にこんな注文をつけた。「WBCがあるので心身ともに負担が大きいシーズンになるからサポートは大事。コーチや先輩投手などが藤浪本人にとって耳が痛いことを言っていかないといけない。WBCも含めて今年結果を出せるかどうか、投手として藤浪にとっては分岐点のシーズンになる。決して甘やかしてはいけない。ダメなときは藤浪のためを思って嫌われ役を務める必要がある」

 かつて若き日の遠山氏は、岡田彰布氏や中西清起氏など偉大な先輩選手らから“愛の叱咤”を受け、振り返ればそれが大きなプラスになったという。高卒で3年連続2桁勝利と輝かしい実績を積み上げてきた藤浪だが、昨年は7勝止まり。今年、WBCで活躍し、さらに虎のエースとして覚醒するためには、今こそ周囲からの「厳しさ」が必要というわけ。

「藤浪の場合、2桁勝利は当たり前でプラス何勝できるか。10完投くらいしてほしいからね」(遠山氏)。5年目・藤浪の進化のカギは虎首脳陣や先輩選手たちが握っている!?