ソフトバンクの松坂大輔投手(36)が7日、日本球界復帰後最多となる239球の投げ込みを宮崎キャンプのブルペンで敢行。その意図は西武時代から徹底した投げ込みでフォームを固めていく自身の調整スタイルへの「回帰」だった。

 松坂は「肩のつくり方を変えようと思ったこともあったけど、何が(自分に)合ってるかは分かっている。信じてやるだけ。自分は投げ込んでつくっていくタイプなので」と説明した。

 肩は消耗品という概念があるメジャー時代は、そのスタイルを封印。日本球界復帰後は右肩の痛みが常につきまとっていたため、投げ込むスタイルが貫けなかった。

 一昨年に手術した肩を常に考えなければいけなかった昨季は100球を投げることも精神的にしんどかったというが、今年は肩の状態に不安がない。

「(今年は)投げているときのストレスが格段に減った。今は200球を投げても、もっと疲れたときから多く投げたい。そういう意味では、まだ足りない」。疲れている状態から、さらに徹底的に投げ込むことで「疲れていると無駄な動きがなくなる。入れるべきところに力を入れられる」。この調整法こそ、フォーム固めには重要だという。

 調整法を本来あるべき形に戻したことに加え、この日のブルペンでは代名詞でもあるワインドアップを復活させた。プエルトリコのウインターリーグからノーワインドアップに取り組んでいたが、松坂にとっては、あくまで調整段階の一つ。最終的な決定はしていないが「個人的にはワインドアップが好き。しっくりくるので」と思い入れも強い。

 投げ込み調整にワインドアップ。本来の松坂が徐々に顔を見せてきたことで、ついつい期待してしまうが、果たして…。