V奪回を目指すソフトバンクのキャンプでは、松坂大輔投手(36)が勝負の1年をスタートさせた。

 2014年オフに3年12億円(推定)の大型契約を結び鳴り物入りで入団したものの、1年目に右肩手術を受けるなど未勝利。今年が契約最終年だ。

 松坂はB組(二軍)スタートとなる。新戦力として5球団競合のゴールデンルーキー・田中正義投手(22=創価大)がA組(一軍)にいて、ほかにもスター揃いのチームだが、一番の話題は松坂だろう。「何だかんだ言っても松坂大輔は松坂大輔。今年も二軍ブルペンがにぎわいそう」(球団関係者)と見ている。

 松坂らソフトバンクB組が、A組より一足先に宮崎空港に到着した際には、空港内で西武一軍の歓迎セレモニーが行われていた。しかし、報道陣のカメラはソフトバンクB組の空港入りに向けられた。同じ九州地区のチームということもあるが、復活を期する松坂の存在がなんといっても大きい。

 過去2年も話題の中心だったが、今季はプエルトリコのウインターリーグにまで志願参加して臨む1年だ。代名詞でもあったワインドアップからノーワインドアップに変えて実戦をこなしてきている。本人も手応えをつかんでいる“変身”に注目が集まるのは間違いない。

 この日はキャンプインを翌日に控えた心境について「毎年、変わりません。一年、一年で変わることはないですね」とコメント。昨季はブルペンでの球数制限を課されていたが、もともと球数を多く投げて調整するタイプだ。右肩も万全とあって「その日の投げていく中で、多く投げられそうなら投げます」と話した。

 WBCで日本を2度の世界一に導いた平成の怪物。昨季は野球ファンからの厳しい声であふれ返っていたが、現在は再び期待も高まっている。今度こそ完全復活を果たせるか。“松坂のキャンプ”が始まる。