阪神・糸井嘉男外野手(35)が31日、沖縄・読谷村の宿舎で行われた全体ミーティングに参加した。自主トレ中に「右膝関節炎」を発症してから、初めて公に姿を見せ「ちょっと不安だが、最初は別メニューでやらしてもらうので、しっかり治して早く復帰できるようにしたい。2月中盤くらいに(全体練習に)合流できればいい」と目標を設定。優勝請負人として期待する金本監督も「状態次第だが、こっちが日にちを指定して無理してもいかん。むしろ遅らせてもいいくらい」とスロー調整を求めた。

 糸井の古傷再発によりチーム内にはキャンプ前から緊張感が走っているが、なぜか息巻いているのが球団営業部だ。「今回の件でファンは不安視しているかもしれないが、糸井選手も2003年の金本監督のように実戦で結果を出してくれれば、さらに人気に火がつく。順風満帆にいくよりもマイナスからスタートして、その後活躍したほうがグッズの売り上げは伸びる。関節炎が長引いてオープン戦にも出られないと言ったらまずいが、軽度のようなので期待できますよ」(ある営業部関係者)

 現役時代、鳴り物入りで広島からFA加入した金本監督も03年の春季キャンプでいきなり右ふくらはぎを痛めて戦線離脱。別メニュー調整を余儀なくされたことで虎党は「本当に活躍してくれるのか…」と肝を冷やした。しかし、不屈の鉄人はその後に開幕にきっちりと照準を合わせ、オープン戦最後の試合で初打点を挙げるとシーズン序盤から猛打を振るいチームの勝利に貢献した。

「あの活躍で『大丈夫かな…』と心配していたファンが『やってくれるぞ!』と安心して人気が急上昇した」(営業関係者)。懐疑的だったファンの気持ちを一気につかみ、頼みのグッズ売り上げも飛躍的な伸びを見せた。しかも、チームはそのシーズンに優勝。そんな“金本パターン”を今回の糸井にも…という算段をしているのだ。

 新天地で期待も大きい糸井。果たして営業部サイドがもくろむ通りになりますかどうか…。