第89回選抜高等学校野球大会の出場32校が27日、決まった。2年連続3回目のセンバツ出場が決まった秀岳館(熊本)は、昨年の熊本大震災の傷が深く残る地元に「みなさんに笑顔を届けたい」と日本一を目標に掲げた。

 前回のセンバツではベスト4、夏の甲子園でもベスト4とあと一歩のところで涙をのんだ秀岳館。鍛冶舎巧監督は「8月20日まで甲子園にいたから、秋はチームとして形になってなかった。打順もポジションも毎回変わっていた」とチームづくりに時間的余裕がなかったという。

 ただ、それでも、3期連続で甲子園の土を踏むことになった。ベスト4が続くが、今度こそ「3度目の正直といきたい」意気込む。昨夏の甲子園を経験している選手が8人いることから「昨年よりも選手層は厚い」と自信ものぞかせた。熊本からは熊本工と2校選出されているが、「両校で決勝なんてのもいいよね。どちらにとっても初優勝でしょ。熊本のみなさんにいい報告ができれば」と話した。

 昨年の主将で、現在ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・九鬼隆平捕手(18)から、その座を譲り受けた廣部就平内野手(2年)は昨年、甲子園を経験した一人。「昨年できなかった部分を強化して、自分たちの代で日本一になろうと話し合った。復興途中の熊本のみなさんを笑顔にしたい」と決意を口にした。