「秋だけ働く山井」なんてもう言わせない

2012年12月21日 11時00分

 中日の山井大介投手(34)が19日、名古屋市内の球団事務所で2度目の契約更改交渉を行い、4400万円増の年俸8000万円でサインした。今季は先発に抑えとチーム最多タイの56試合に登板し、4勝3敗15セーブ、防御率1・43。プロ11年目にして、初めてシーズンを通して一軍で働いた。

 

 覚醒の裏には周囲の厳しい声があった。「“山井は秋にしか働かへん”みたいな感じで言われていたこともあったので、言われるのも悔しかったし、そういうふうに言われないように(一年間)できるというのを証明したかった」(山井)

 

 そのため、今季は投球時にできるだけ右肘を遅らせて、これまで以上に肩を使って腕を振るように意識したという。以前のフォームは、右肘を支点にして腕をムチのようにしならせたが、肘にかなりの負担がかかって故障につながっていたからだ。

 

 山井が一躍有名になったのは2007年の日本シリーズでの8回パーフェクト投球だが、フォームを変えたことで当時の大きな武器だった鋭く縦に落ちるスライダーを投げられなくなった。それでも新フォームにこだわった。絶対に故障をしない、離脱しない、フルシーズンを戦ってみせるとの気持ちは、それほどまでに強かったのだ。

 

 三木トレーニングコーチも「切れ切れのスライダーを捨ててまで一年間、一軍で投げることを選んだ意気込みはすごかった」と舌を巻く。WBC日本代表候補にも選ばれている山井は「来年も50試合以上投げたい」と言い切った。もう“秋だけの男”とは言わせない。

 

(金額は推定)