ソフトバンク・千賀滉大投手(23)が24日、タマスタ筑後で日の丸を背負う決意を語った。この日、3月7日開幕の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦う侍ジャパンの27人が発表された。昨年12月に発表済みの19人に加え新たに8人を追加。追加メンバーの中では唯一の鷹戦士だ。2006年にWBC日本代表として世界一を経験した左腕・和田からも熱いエールが送られた。野球エリートではない公立高校出身の右腕が、世界を相手に驚異の投球を見せつける。

 成長著しい右腕が大舞台を前に、晴れ晴れしい表情を浮かべた。

「本当にうれしい気持ちが一番。『いつか(WBCで日の丸を)背負うようになりたい』と思っていた。こんなに早くかなうとは思わなかった」

 ソフトバンクへの入団は育成ドラフト4位。それが今回、鷹投手陣では唯一の日本代表へと“成り上がり”だ。育成出身のWBC代表は巨人・山口鉄に続く2人目の快挙とあって「育成の時は一軍で早く活躍できるようになりたいと思っていたのが、こんなふうになるとは思わなかった。光栄です」と顔をほころばせた。昨季は初めて先発ローテを1年間守って、自己最多の12勝。今季もホークスでは先発として期待されているが、中継ぎとしても経験豊富。侍ジャパンではマルチな活躍を求められる。「しっかりやれるようにしたい」と働き場所をいとわない侍魂も見せた。

 昨秋の強化試合(メキシコ、オランダ戦)ではWBC球が手になじまなかった。一番の武器となる球界有数の落差を誇る“お化けフォーク”も制球がつかずに荒れたが、徐々にボールにも慣れてきている。「(本大会の)負けられない試合が始まる。ボールがどうとか関係なくなってくる」と不安は感じていない。

 過去の大会で記憶に残るのは「2009年のイチローさん(現マーリンズ)の最後のセンター前ヒット。ダルビッシュさん(現レンジャーズ)のめっちゃ曲がるスライダーとかテレビでよく見るシーン」と話す。語り草となるプレーができるように意気込んだが、一方で「打たれて背中だけの映像を使われないように、ちゃんとしないと。ずっと使われるので」とジョークも飛ばした。

 尊敬する和田からも「小久保さんを男にしてやってくれ」とエールを送られた。千賀は「(侍ジャパンに)入って責任感が増してくる。ホークスの代表として恥じないようにしたい」と力を込めた。世界一となり、その経験をホークスに還元する。