3月の第4回WBCで世界一奪還を目指す侍ジャパンにも“神効果”が期待できそうだ。ソフトバンク・内川聖一外野手(34)と広島・鈴木誠也外野手(22)らが23日、宮崎・日向市で行っている自主トレを公開した。新旧の右の強打者2人の合体は昨年に続いて2度目だが、若鯉の急成長には鷹の安打製造機も目を見張るばかりで、刺激を受ける日々だという。
さすがの理論派もタジタジの様子だ。2年連続で自主トレをともに行っている広島・鈴木の成長ぶりには、過去2度の首位打者に輝いている内川も「これだけ変わるのかと思った。去年、初めて来た時と、1年やっての違いにビックリさせられる」と目を丸くする。
昨季の“神ってる”活躍で覚醒した右の強打者には練習中や食事中に、さまざまなことを聞かれるという。内川によれば質問内容も「去年より僕も経験したというようなことが増えてきた」。愛弟子の疑問や悩みを聞くことで思い出させられたり気づかされることもあり、内川自身にとっても「誠也から聞かれたことに対して答えることで、僕も思い出すことがいっぱいある。俺もそうだったなとか、俺はこうしていたなとか。質が上がってくる。有意義な時間になっている」と実りは多いようだ。
WBCでの世界一、自チームでの日本一奪回を目指す今季は、個人的にも残り104本と迫った通算2000安打がかかっている。「自分の中でどういう気持ちになるのか楽しみ。打ったときの心境がどうなのか、想像がつかない。まだまだと感じるのか、達成感を感じるのか。そのときの感情を大事にしようと思っています」。大台への思いを熱く語る一方で、内川は今年のテーマに「ゆったり」を掲げ「あまり自分で自分を窮屈にしないようにはしたい。絶対こうじゃないといけないという中で自分の幅を狭めるより、幅を大きく持って、ゆったりできるといいのかなと思います」とも話す。
神ってる愛弟子からも刺激を受けているという鷹の安打製造機は、三兎を追って三兎とも得るつもりだ。